「腹が立つ」「腹黒い」「肚を決める」「肚が据わっている」など、日本では昔から『腹』を用いた精神状態を表す慣用句が数多くありますが、脳と腸は自律神経系、内分泌系、免疫系の三つの経路を介して「脳から腸」へ「腸から脳」へと、お互いに影響を与えあっています。これを『脳腸相関』と言います。
ストレスを感じるとお腹が痛くなるのもまさに『脳腸相関』と言えますね。この『脳腸』を活性化させ腸内環境を整えるためには、バランスの良い食事と睡眠が大切です。
食物繊維の豊富な食事を心がけ、菜食中心にバランスの良い食生活を

腸内フローラには、善玉菌、悪玉菌、日和見菌などがあり、そのバランスは、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7の割合が良いとされています。
(日和見菌:健康なときはおとなしくしているが、からだが弱ったりすると腸内で悪い働きをする菌)
肉食中心の偏った食事や、ストレス、不規則な生活、抗生物質の多用などで、腸内細菌のバランスが崩れると、悪玉菌が増え、便秘や下痢、肌荒れやアレルギー、慢性的な身体の不調、延いては生活習慣病を引き起こしてしまうことにもなりかねません。
食物繊維は腸内細菌の善玉菌の餌になる食品です。 腸内環境を整えるためにも、大豆や海藻、野菜、果物、玄米などといった食物繊維を多く含む食品を積極的に摂るよう心がけるといいですね。
発酵食品のパワー


また、味噌やキムチにはリラックス効果のあるGABA(ギャバ)が含まれているため、神経の高ぶりを鎮めたり、ストレスの緩和に効果が期待されます。
腸内ケアで質の良い眠りを


睡眠も脳機能のひとつ。腸内環境が整うことで、ストレスが緩和し、寝つきがよくなり、睡眠の質が改善され、ストレスの緩和や体の不調改善につながります。
まさに脳腸相関、食べ物によって腸が整い、腸が整うことで脳も喜ぶのですね。